教えて!越前水仙

越前水仙について知ろう!

01| 水仙はどこからきたの?

水仙の原産国は地中海沿岸で、シルクロードを通って中国に到着。その後、中国から海を渡り、越前海岸に漂着したとのこと!?
現在「日本水仙」と呼ばれている水仙ですが、中国から日本に辿り着く途中で流れ着いた韓国の済州島にも同じ花が咲いています。

※ “日本の植物学の父”といわれる牧野富太郎博士が「海流漂着説」を説いています。

02| 水仙の名前の由来って、なに?

中国では、水辺を好んで咲く姿が仙人のように神秘的で「水の仙人」と呼ばれ、それが『水仙』(中国名「水仙」を音読みにしたのがスイセン)となったとのこと!
英語での「Narcissus(ナーシサス)」は水仙の学名にもなっていて、ギリシア神話に登場する美少年ナルキッソスが由来。ナルキッソスは、泉に映し出された自分の美貌に惚れ込み、自らの顔に見とれ、落ちて亡くなりますが、その後そこに生えたのが水仙だと伝えられています。

03| 日本水仙はみんな一緒?!
  種のできない水仙の増え方

日本水仙ももちろん花を咲かせますが、受粉しても種を作る機能がなく種で増えることができません。だから他の花と交わることがなく、何百年も前からずっと同じカタチの花を咲かせています!
では、どうやって増えたかというと、
親の球根の内部で小さな球根ができ、
分球して増やします。分球した球根は、
大きさによって開花するまでの期間
が変わり、肥った球根は翌年には開花しますが、小さい球根は
開花まで2年以上かかることがあります。

04| 水仙はなぜ急な斜面に咲くの?

水仙は水捌けの良い場所が大好き!水捌けが悪いと球根が腐ってしまいます。越前海岸の土壌は、ガラガラ石が入り通気性が良く、水仙にぴったりの土なんです。あと、水仙は太陽も大好き!平地に生えるよりも斜面に生えた方が全身に太陽を浴びることができるので、水捌けも良く光をたっぷり浴びることのできる斜面地がぴったり!だから、たくさん日の当たる方を向いて咲く水仙畑は一面真っ白になるんですね。

05| 水仙の花の独特な構造!

水仙の花には、6枚の花びら(花弁)があるように見えますが、花びらはそのうちの3枚だけ。よく見ると上段と下段の3枚づつに分かれていて、下段の3枚は“がく”なんです。黄色の部分は、「副花冠(ふくかかん)」と呼ばれ、花弁の集合体。雄しべと雌しべがありますが、遺伝子の構造上の理由により種を作ることができません。だから、短期間に虫を呼び寄せる必要もなく、長い期間咲くことも水仙の特徴の一つです。

06| 水仙農家さんは年間を通して
  どんなお仕事をしているの?

水仙農家は、越前海岸に自然と咲く水仙を収穫するわけではありません。あの急斜面でしっかりと畑づくりをして、冬の収穫にのぞみます。土の中にある球根が他の草に負けないよう、6月と9月の暑い中、草刈りをします。そして収穫後には「お礼肥え」と呼ばれる肥料を散布して、次の季節に備えます。

07| 日本一厳しい出荷規格

日本水仙は「雪中花」と呼ばれ、華道家の中では、冬を飾る花としてとても人気があります。そのため、生花とのつながりはとても強く、越前水仙には、『え−4・ち−4・え・ち・ぜ・ん・水・仙』の8つの厳しい規格を設けています。これだけ厳しく、細かな規格は全国でも福井の越前水仙だけ!
だから、華道家の信頼も厚いんですね。

08| 水仙農家のしごと道具紹介

水仙農家は、畑の水仙を全て切っているわけではなく、規格に沿って水仙を選び、丁寧に収穫をしています。刈り取りに使う鎌は、袴(はかま:根元の白い部分)を長く、切り口を小さく水平にできるよう、農家さんたち自身で刃を曲げるなどの加工をしています。収穫した水仙は、葉を痛めずに作業場まで運ぶため、農家さんが自作した幅の広い色とりどりのリボンやレースで丁寧に束ねられ、カゴに入れて運ばれます。