風景の守り人

水仙はつぼみのまま、畑も青々とした12月が、実は収穫の最盛期である。越前水仙は、とても厳しい出荷基準を設けている。花が咲いてしまうと出荷できないのだ。
急斜面の畑には、年2回の下草狩り、肥料やり、そして収穫と、一年を通して手を入れないと、ススキや雑草に負けて 水仙は育たなくなるという。「大変そうですね」と思わず声をかけると「平地よりも斜面の方が、かがまなくて良いから、草刈りも収穫もやりやすい」と笑う。
彼らがいるからこそ、守り、伝えられる風景。カメラを向けると、照れながらもこちらを向いた顔は水仙に負けずキリッとして、とても誇らしく見えた。

倉橋 宏典
東京で都市計画・まちづくりのコンサルタントで働いたのち、11年前に福井にUターン。
現在は福井県庁。子供と一緒にカメラ修行中。

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