急斜面が続く越前海岸の福井市居倉町。水仙栽培は、春のワカメ漁など、いくつもの生業を重ねて生きる人たちの冬の営みだ。
福井の中でも比較的暖 かく、水はけの良い急斜面は、水仙栽培にぴったりの条件。自生する水仙を収穫していたものを、斜面や棚田に栽培地を広げ、地域の特産に発展させてきた。そんな地域での暮らしの知恵が、白く、甘い香りが一面に広がる、冬の福井を象徴する風景を作り上げた。
この営みと暮らしの風景の、主役である水仙農家と、日本海、集落の家並み、水仙畑が織りなす、まさに文化的景観を写してみた。
倉橋 宏典 東京で都市計画・まちづくりのコンサルタントで働いたのち、11年前に福井にUターン。 現在は福井県庁。子供と一緒にカメラ修行中。