かつての糠集落

冬になると海から谷に向かって「たばかせ(北西からの強風)」が吹き付け厳しい寒さが集落を襲う。その寒さ故に昔は、男は出稼ぎへ(酒造り)、女は水仙を収穫した。住戸数が極めて多く越前杜氏集団のかつての繁栄を思わせる。しかし、現在は現役杜氏もいなくなり水仙も獣害の大きな被害を受けて壊滅状態である。
険しい谷間に建ち並ぶ民家群と円光寺の方形屋根を十九社神社の境内から、カメラ越しに望む。今は見られないかつての集落の暮らしを想像すると、目の前の風景が愛おしく感じられた。

田上夏伊

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です