寄り添い支え合いながら

日本海の潮風に揉まれて育つ「越前水仙」は、他の産地の日本水仙に比べ、花がひきしまり、香りが強く、日持ちと姿勢が良いのが特徴だ。一本の立姿は、細いのに硬く締まって揺らぎがない。
日本海の潮風は、波の花が海から山に舞い上がるほど強い。越前水仙は、強い風を受けても倒れない。9月に球根から芽が出て、12月に花が咲くまでの4カ月間、水仙一本一本が互いに寄り添い支え合い耐えながら成長しているからだ。
藤崎武彦さん、愛子さんもご夫妻連れ添いながら、水仙農家をされている。お二人の笑顔と距離が、寄り添い支え合いながらの人生を感じさせてくれた。
水仙を手に取るとき、甘くて爽やかな香りと共に、水仙同士、人同士の繋がりを思い浮かべて欲しい。

中村 麻由美
福井市園芸センター
園芸技師。
越前水仙の試験研究、栽培農家の支援を行う。

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