水仙農家 山本正男さんに越前水仙の絶景写真をお願いしたら八ツ俣町の湾を見渡す山の上に連れてきてくれた。
日本水仙は、種はつけることができず球根で増える。花が終わると土の中で球根を分け、増やし、その命をずっと繋いでいる。だからといって、水仙は自分だけで綺麗に咲くことはできない。
水仙農家は、花が咲く12月~1月の2カ月間切花出荷を行う。出荷が終わると、次の世代への活動が始まる。「お礼肥え」といわれる肥料をあげ、水仙の球根が次の世代への力を貯めるための手助けをする。5月に葉が枯れれば、雑草に負けないようにと5月・8月の年2回草刈りを行う。いかに手を掛けたがで、その年の水仙の出来栄えが決まるという。それは、一年の積み重ねであり、先祖代々積み重ねてきたものである。水仙がないと作り出せない絶景は、水仙農家が作っている。
中村 麻由美
福井市園芸センター 園芸技師。
越前水仙の試験研究、栽培農家の支援を行う。