水仙農家の暮らし

越前岬の近くにある上岬地区で梨子ケ平千枚田水仙園の水仙農家の作業風景。
早朝より雪も舞い急斜面で日本海から冷たい風も吹き上がる場所での収穫作業。防寒着を付けて鎌と収穫した水仙を入れる籠を担いで出かける。刈り取りに便利なように鎌も工夫してあり、袴(茎)からスムーズに採れるようになっていた。
午前中の収穫を終えると、昼頃には農家の作業場に戻り水仙の茎や葉から土などの汚れを洗い流す作業を始める。その為に作業場には水道の蛇口と桶が置かれている。冷たい水を使いその後商品価値を上げるため斜めになった袴を綺麗に揃える作業。そして袴の長さや葉の枚数などで商品価値が変わるので夜更けまで丁寧に選別すると言う。

吉田隆一

越前水仙

冬の越前海岸を車で走っていると山の斜面に水仙畑が広がっている場所が多く見られる。この寒い時期には海岸の景観と山肌の水仙畑そして時々見えるカニ料理の看板もあり五感で旅を楽しめます。

福井市居倉町に在住する水仙農家の人に話を伺うことが出来ました。この地で生まれ住み続けて80年と、とてもこの年には見えない田中民子さん、水仙のように背筋も伸び明快な答えも帰ってくる、水仙農家の高齢者は病気知らずの健康な生活を送っている人も多いと聞いたこともある。

出荷時は朝から急斜面の場で刈り取りをして持ち帰り茎の泥を洗い流し選別作業にと、夜の10時までも作業が続き忙しい日々が続くが、水仙を愛してるからこそ出来る仕事なんだと言う言葉が心に響く。この水仙には香りと凛とした姿に魅せられて全国に多くのファンがいる。全国に出荷するための組合もあり、寒冷のなか2カ月位の間は朝から夜まで忙しい日々が続く。農家には個人的にもファンから毎年注文が入り、家の中に生けたりお歳暮用等に利用にするらしい。

吉田 隆一