選別作業

福井市下岬地区の藤崎愛子さんに、出荷前の越前水仙の選別作業について教えていただいた。
越前水仙の出荷規格は細かい。長さを書いた板に並べて分類する。さらに花つき、白い袴部分の長さ、葉が4枚か、花が葉よりも短いかなども、重要だ。
今回見せていただいたのは、刈り取った水仙を湧き水で洗い、選別する作業。花が開かないよう冷水で泥を落とし、葉先が赤茶けていないかを、流れるような手つきで厳しくチェックしていく。鎌に目印のテープを貼り、長さをこの段階から選り分けはじめるのが藤崎さん流だ。この後、小屋で細かく選別し長さごとに束にする。収穫の3倍以上の時間が選別作業に費やされる。農家さんの選別へのこだわりとプライドが、そのまま越前水仙のブランド力になっている。

北村 明恵
福井市図書館勤務。
チーム福井ウィキペディアタウンとして、福井の情報をWikipediaに掲載する活動を推進しています。

越前水仙は畑にこそ

福井県にある越前海岸の越廼地区居倉町には斜面につくられた水仙畑が続いている。こ の50年間で、水田や桑畑は水仙畑に変わり昨年重要文化的景観に選定された。水仙栽培を されている田中民子さんにお話を聞いた。

生粋の居倉育ちの田中さんは、退職後に家業を継いで水仙栽培をしている。もうすぐ80歳の今も7反(約7000㎡)の水仙畑で年間3万本を育てている。最盛期の12月には朝、 600本を2時間で刈り取り、花が温まって開花しないように寒風のなかで、水洗いから切りそろえ、選別まで13時間働く。 田中さんはJAに出荷する以外の6000本は個人販売を行っており、お歳暮用に楽しみにしている固定客もいる。出荷する水仙は開花の1週間以上前に刈り取るので、花に悪いねと言葉をかけるそうだ。出荷している水仙よりも、花が白く大きく薫り高い畑で咲いた水仙をできれば届けたいという。清楚で凛としたひかえめな水仙の魅力は田中さんが働き続ける原動力になっている。

北村明恵

作業場の二人

居倉町の藤崎さんご夫妻に水仙選別を教えていただいた。
作業場の壁には大工だった時の道具が整然と並ぶ。今は、ご夫婦で水仙を栽培しここで選別し出荷している。収穫した水仙は、規格の板に並べ大きさ、葉の枚数や状態、花つきからランクを決め束にする。特に大きさは厳しく決められている。後ろに積まれているのが選別済みの水仙。
写真は、撮影者達からの相次ぐリクエストを笑顔で受け止めつつ、奥様のはにかんだ様子にお二人の仲の良さがでたと思った1枚。

北村 明恵
福井市図書館勤務。
チーム福井ウィキペディアタウンとして、福井の情報をWikipediaに掲載する活動を推進しています。